あっという間に楽しかった夏休みは終わり、季節は秋へと近づいていた。
夏休み……夏祭り以降は大樹くんとあまり出かけていない。
唯華とは出かけたけどね。
でも、結構充実してたからいいんだ。
バレて大変なことになっても嫌だからさ。
「では、出し物を決めます」
おっと、そうだった。
今は出し物決めをしていたのだ。
あたしの席の前に座っている唯華があたしの方を向く。
「出し物、どんなのにする?」
「あたし、何でもいいや。みんなが好きなのでいいんじゃないかな?」
あたしがそう言うと、男子も女子もこちらを見る。
な、何か言ったっけ?

