「いいの?」
「繋がないと、またはぐれるから」
大樹くんに迷惑かけないためにも、この方がいいかも。
「じゃあ、お願いします……」
おずおずと大樹くんの手にあたしの手を乗せる。
キュッと繋がれた手に温かみを感じずにはいられなかった。
大樹くん、ありがとう。
何のことか分からないものでごちゃ混ぜになった。
だけど、大樹くんのおかげでそんなのどうでもよくなった。
今なら乗り越えられる自信がある。
「じゃあ、そろそろ行こうか。いい場所あるんだ」
引き寄せられるようにして、あたしは大樹くんについて行った。
その後、花火を見てあたしたちの思い出を作った。

