「もー行こうぜ。やっぱハズレだ」
そう言うと、男の人たちは若干怯えながらどこかへ行った。
「大樹くん、ありが……」
お礼を言おうと大樹くんの方を向くと、あたしの肩口に額を乗せていた。
疲れたのか、はぁはぁと息を弾ませている。
もしかして、ずっと探してくれてた?
大樹くんに触れると少し汗をかいていた。
昼間よりは暑くない今。
だから、汗はあまりかかないはず。
それなのに、汗をかいて探してくれたということは。
それだけ、心配かけてしまい、慌てさせてしまったということだ。
あたしは、その場でオロオロしていた。

