「本当だな。どこに行こうか」 「うーん……」 どうしようか考えていると、人が流れてくる。 「わわ、大樹くっ!」 あたしは小さいので、人混みに埋もれてしまう。 次第に、距離は離れて……とうとう見えなくなってしまった。 あたしのバカ。 どれだけ迷惑かければいいのよ。 迷惑かけてもいいって言ったけど、あたしは迷惑かけないようにしようと思った。 もう、やだ。 あそこの木の近くに行って大樹くんに電話しよう。 「また流される前に避難しとかないと……」 そう思い、移動した。