普段あまりメガネをかけないので、新鮮だ。
しかも、なんかカッコ良すぎー!
「準備できた?」
はっ、と我に返る。
「うんっ、できたよ」
すると、大樹くんは立ち上がってあたしの方に歩いてきた。
「この浴衣、似合ってるね。可愛いよ」
「ふぇっ?へ、あ、ありがとう」
なんか照れる。
すごい、サラッと言ったよね。
だから学年で人気あるんだろうな。
大樹くんはそんなあたしを見て微笑んだ。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
これが、いわゆる初デートである。
「大樹くんもカッコいいよ!」
あたしも、満面の笑みで言った。

