「ふぅーん・・・。
 ひとめぼれ・・・ねぇー。」
「うんうん!!!」
ニコニコ笑顔で話す私の顔を、イチゴを片手に聞く親友の実上美奈子。
私は今、小学校のころからの親友の美奈子の家に来ていた。
美奈子とは、高校もおんなじだ。
「そいつさぁ・・・性格どういうやつなわけ?」
「とにかく爽やかでーーー!すっごく優しいの!!!」
「単にぶつかって謝られただけでしょ・・・。」
「えぇー・・・。もっと食いつくかと思ったのにぃー・・・。」
「そんな一日で、少し話したぐらいで、相手のこと全部分かったような気になんないの!」
「ぶぅー・・・。だって本当にかっこよかったんだもん・・・。」
「ふくれないの!ってか、そんだけかっこいいんなら、彼女いるんじゃない?」
「うっ!!・・・。」
「いるんだ?」
「・・・わかんない・・・。」
「はぁー・・・。とりあえず、もっと相手のこと知ってから好きになんなよ・・・。」

いろいろとズバズバ言われて、ふくれっつらの私に、美奈子はイチゴを差し出した。
「はい!今日の取れたて。」
「わぁー!おいしそう!!」
美奈子の家は、高級なイチゴ農園。
甘くて実の大きいイチゴを、私は小さいころからずっと好きだった。
そのイチゴを食べながら思った。
『私もこのイチゴのように、甘い恋がしたいなぁー・・・。』と・・・・・。