彼がそう呟く理由を知っている為、 彼の後ろに立っていた副隊長であるシガスは沈痛な面持ちで顔を伏せる。 報告をしに来た赤毛の男性は理解できていないのか、 困惑した表情でリーンハルトとシガスを見つめる。 ただでさえ、 何が起こっても無表情を貫いてきたリーンハルトが表情を崩したのだ。 そのうえ、彼が浮かべた表情は『哀しそうな微笑』であり、副隊長までもが鎮痛な面持ちで顔を伏せた。 戸惑うなと言う方が無理な話である。