「隊長、ルディア家当主のレオンガルドが
書斎で死亡しているのを確認しました」

赤毛の男性が、隊長と呼ばれた白髪の青年にそう報告をする。

「…そうか。ほかの者は?」

隊長であるリーンハルトは、感情の読めない声で呟き、
ルディア家の生存者数人の名を黙って聞いた。

「――以上です。次女であるラヴィリンスと、
レオンガルドに仕えていたデュラク様の姿が知れないので、二人は逃亡なさったかと」

「…デュラク様が……。」

リーンハルトは哀しげに微笑し、
「あの方はいつもそうだ」と呟いた。