Black Beast.




「 玲央と柚菜ちゃん以外は
  駅方面行くよな?
  ついでにケーキ予約してくるか 」


「 お!いいね~ 」



希くんの提案で私と玲央くん以外の
みんなでケーキの予約をしに行くことになって、
その場で解散することになった。



「 ばいばい、柚菜ちゃん、玲央 」


「 また明日ね~ 」


「 柚菜ばいばーい! 」


「 玲央、送り狼はだめだからね? 」


「 うるせーよ 」



手を振って歩きながら
大声でそれぞれが言いたいことを
言っているせいで、誰が何を
言っているかよく分からなかったけど、
玲央くんが大勇くんを睨んでいたのは分かった。



「 行くぞ 」


「 ・・・うん? 」


「 なに? 」



玲央くんは変わらず私の腰に
手を回していて、私に
”行くぞ”と言いながら
既に足を進めていた。



・・・・あれ?



玲央くんが私の家を知っているのは
知ってるけど、・・・知ってるけど。