Black Beast.




げっ、と思ったのは俺だけじゃないはずだ。
女の子みたいな名前で、見た目も
小さくて細くて可愛いすず。
そんな外見が嫌だからか、金髪に染めて
少しそれっぽくはなったものの、
この身長と言い、何かあると子どもみたいに
反応するすずはやっぱり可愛い。



「 俺たちでその子を守ればいいじゃん! 」



”な?な!?”と同意を求めて来た
すずからサッと目を逸らした。



・・・・いや、まぁそうなんだけど・・・・
そんな簡単なことじゃないから
こうやって集まって話してるわけで。



「 すず、落ち着け。
  ほら・・・飴やるから 」


「 お~!サンキュッ 」



単純なすずは物につられやすい。
いつも飴を持ってる拓未は
すずの扱いがうまかった。



嬉しそうに飴を咥えて
座ったすずは飴に夢中で
さっきまでのヒーローになる話は
忘れているようだった。



「 ・・・で、どうやって
  柚菜ちゃんを守るかなんだよ 」


「 友達は居なさそうだったよな 」


「 ・・・そ、そうなんだよなぁ 」



あの子のことだし、男なんかは
気軽に寄せ付けなさそうだ。
俺も睨まれたし、手も払いのけられたし。