5組に着いたときは
隣のクラスだった拓未が
俺を呼びに来てからあんまり
時間は経っていなかった。
「 そしたらドアが開かなくて・・・ 」
「 お前、細かく話しすぎだろ 」
「 えー 」
「 話長ぇんだよ 」
ガリッと飴を噛み砕いた拓未が
”ったく”と俺を一度睨んだ後、
その辺の説明を簡単にしてくれた。
「 ───────────つーことで、まぁ
その柚菜ちゃんを保健室に連れてって
手当てしてるときに佐渡が来たんだよ 」
・・・・さすが、大まかに話してるのに
ちゃんと分かるようにまとめてる・・・・
「 あー・・・で、俺と佐渡がやり合ってる間に
柚菜ちゃんを連れて拓未が出てったんだけどそれを佐渡が見ててさぁ・・・ 」
「 なるほど~!つまり、佐渡は柚菜ちゃんが
大勇の彼女だと思ってるってことだろ? 」
「 そうそう。昨日は家に帰ってたのを
拓未が確認してるし大丈夫そうなんだけど
あの佐渡だからなぁ・・・誤解を、 」
「 分かった~!!! 」
”誤解をとかねぇと”と言いかけた俺を
遮って勢いよく立ち上がったすずは
キラキラした目で俺を見ていた。

