Black Beast.




「 髪、乾かすついでに
  いじらせてよ♪ 」


「 待っ・・!! 」


「 はーいここ座ってね 」



大勇くんはベッドに腰掛けると
私を床に座らせてドライヤーで
丁寧に髪を乾かしだした。



しばらくしてドライヤーを
片付けた彼は得意気に鼻歌を
歌いながら私の髪をいじり出した。



「 柚菜ちゃんって染めてる? 」


「 ・・・いえ 」


「 へ~!すげぇ良い色してるよね 」



そんなやり取りを数十分した後、
自分の鞄の中から大きめの鏡を
取り出すと、私の前に差し出した。



「 どう?どう? 」


「 ・・・・・ 」



あまり手先が器用じゃない私は
髪をいじろうと思ったことがなく、
長くて邪魔だと思ったときは
適当に結ぶだけだった。



「 柚菜ちゃんって綺麗な髪してるんだし
  もっと自分を飾ればいいのに!
  なんなら手伝うよ? 」



勿体無いよ、と言いながら
家を出る準備を始める彼を他所に
鏡に映った自分をまじまじと見つめていた。