・・・ここまで来ると、
どっちが悪役なのか分からない。
玲央くんを見ながら
ぼんやりそんなことを思っていると、
ふっ、と私の上に影が落ちてきた。
─────────────バキッ
「 柚菜ちゃんに手、出すなんて
いい度胸してんね? 」
”来るな”と言われていたのに
笑みを浮かべながらゆっくり
近づいてきていた玲央くんは
男の人が倒れる寸前に
私の腕を引っ張り、気付けば
玲央くんに抱き上げられていた。
「 ・・・な、なんだよ!!! 」
「 それはこっちのセリフなんだけど 」
大勇くんと拓未くんが
倒れこんだ男の人を
冷たい目で見下ろしていた。
今さっき旅館から出てきたのか、
みんな浴衣姿で、倒れこんだ人たちを
物珍しげにしゃがんで見ていた。

