Black Beast.




ゾクッ、と全身に一瞬で
鳥肌が立った。



本当に吐いてしまいそうなほど
気分が悪くて、
泣きそうになりながら、声を振り絞った。



「 ・・・れ、おくん 」


「 え?なに? 」


「 ッ・・・・玲央くん!!! 」



助けて。と振り絞ってやっと出た声は
掠れていて、とても遠くに聞こえるような
声じゃなかった。



「 彼氏の名前? 」


「 え~、彼氏あのこと知ってるの? 」



バカにするようにそう言われて、
目の前に携帯が出てきた。



画面いっぱいに映し出された
フォルダの中にあるのは
あの時の、写真で。



玲央くんはこのことを知っているし、
写真のことだって知っている。



こんなの、全然怖くない、のに
体の震えは止まらなくて、
悔しくて、噛んでいた下唇からは
血が出てきて、口の中いっぱいに
血の味が広がってきた。



「 車行く? 」


「 ここでいいんじゃねぇ? 」



腕を掴まれた私は逃げようと
腕を振り回すけど、男の人の力には
敵わなかった。