もう、逃げないよ。









「 ふーん・・・?
  なァんか、面白いことになったねぇ 」




カラン、カラン、と
聞き覚えのある金属音が
聞こえて、顔を上げた。




「 ケ、ケイスケさん! 」


「 これ、下に落ちてたんだけど
  これ見せたらアイツ怒るよね? 」




鉄パイプを片手に、空いた手で
あの写真をヒラヒラと私に見せ、
楽しそうに目を細めたケイスケは
”これ、邪魔だなァ”と呟いた後、
3人の手を蹴り、手から携帯を落とした。




「 待・・・・ッッ!!! 」




制止の声も聞かず、携帯を
容赦なく目の前で砕くと
満足気に口元を歪めた。




飛び散った破片を涙目で見た3人は
文句も言えず、声も出ないようだった。