Black Beast.





「 どうせ放課後にでも行こうって
  思ってたんでしょ?
  じゃ、それまででいいからさ 」




”ね?”と玲央くんに微笑みかけた彼が
サッと1歩後ろへ下がると、
後ろに居た人たちが前へ上がってきた。




「 後で覚えとけよ、璃玖 」


「 いや、本当ごめん・・ 」


「 この状況でその会話!? 」




10人前後に囲まれているにも関わらず、
溜息交じりに璃玖くんを睨む玲央くんは
いつもと変わらない様子で、
睨まれた璃玖くんも苦笑している。




すずくんに内心同意しながらも、
私はどうすればいいのか必死に考えていた。




「 ・・・本当、頭悪ぃな 」




鞄を落とした玲央くんは
こんな状況の中で、楽しそうに口角を上げた。









───────”俺らもなかなか頭悪いな”




ふっ、と頭を過ぎったのはついさっきの会話。
ここまで来て、やっと理解できた。