考えなくても分かる。
今日、このタイミングで来るのは
東高以外ない。
着崩した制服の胸元から
ジャラジャラとアクセサリーが
覗いていて、耳元に光るピアスの数は
パッと見ただけでは数え切れなかった。
「 ・・・お前じゃねぇな 」
「 は?なにが? 」
「 佐渡の弟、どこだ 」
「 あー、スナオね。
さぁ?学校じゃないの? 」
「 ・・・ふーん 」
なんとも言えない髪の色は
あえて言うなら、”白”だ。
限りなく白に近い金髪。
両サイド刈り上げられた髪といい、
その色といい、一目でこの人が
やばい人だと分かる。
「 アンタ、玲央って人でしょ?
俺とケンカしよーよ 」
「 ・・・・ 」
「 うわ~。嫌そうな顔 」
そう言って、楽しそうに目を細めながら、
彼は持っていた鉄パイプを
思いっきり振り上げ、
────────────ガツンッ
地面に振り下ろした。

