「 中学のときの後輩とか、
目立ってないだけで喧嘩できる奴なんて
幾らでもいるんだよ、この学校 」
「 ・・・あ、後輩・・・ 」
「 問題起こさせないよう最初1回だけ
俺らで注意しに行ってるから
顔と名前は大体分かってるんだよ~ 」
ヘラッと笑いながら私の顔を
覗き込んできたすずくんの頭を
バコッと玲央くんが鞄で叩くと、
すずくんは痛そうに顔を歪めて
頭を手で押えていた。
「 だ、大丈夫? 」
「 ってぇ~~~・・・ 」
ぴょんぴょんその場で跳ねた後、
弱々しい目でキッと玲央くんを睨んで
”痛い!”と目で訴えているのを
私はジッと見ていた。
・・・・可愛い。
そう思いながら。
「 ・・・玲央!!!!! 」
突然辺りに響いた怒鳴り声のような、
その声に私が肩を上げると、玲央くんは
私の腕を掴み、自分の後ろへ隠した。

