「 玲央くん 」
私が名前を呼ぶと、
返事の代わりに横目で
私を見て、髪を撫でられた。
「 大勇くんたち、どこ行くの? 」
「 裏門だろ 」
「 ・・・なんで? 」
「 あそこの4人、俺らと同じ
制服着てるけど生徒じゃねぇから 」
私の髪を撫でながら
無表情でそう言う彼の言葉を
頭の中で何度か繰り返して、
やっと理解できた。
・・・つまり、アレは東高の生徒、だと。
「 柚菜、俺たちって6人じゃないぞ? 」
何でもないような顔で結構
すごいことを言われた私は
それ以上何も言わないでおこうと
心の中で自分に言い聞かせていた。
その直後、すずくんが私の
目の前まで来てそう言った。
「 ・・・・・へ? 」
私が知る限りでは、6人しかいない。
紫緒さん・・・は生徒じゃないし、
どういう意味なんだろう・・・。

