「 ・・・お前 」
紫緒さんの伸ばした手が
玲央くんの制服を掴み、
体勢を崩した玲央くんが
前屈みになると今度は空いた手で
襟を掴んだ。
「 自分の女を他の男に守らせる気じゃ
ねぇだろうな? 」
「 連れてくわけねーだろ 」
「 守る気ねぇなら背負うんじゃねぇよ。
守れねーなら離してやれ 」
「 ・・・・・ッ 」
”こんな風に”と玲央くんとキッと
睨んだ紫緒さんはパッと襟から
手を離した。
酷く表情を歪ませた玲央くんが
グイッと私の手を引っ張って、
自分の方へ引き寄せると
腰に手を回して、
「 ───────────離すわけねぇだろ 」
耳元でそう言うと、
私を連れて病室を出た。

