Black Beast.

















・・・・・・・ガラッ



「 ・・・大勇 」


「 外まで丸聞こえだよ、バカ 」



突然開いたドアに驚いて
顔を上げた大勇くんは
笑顔を引きつらせて
部屋の奥へと移動した。



「 べ、別に悪いことじゃないだろ? 」


「 ・・・ったく 」



溜息を零した玲央くんは
温かいココアと水を片手に持って
イスに座ると、私にココアを差し出した。



「 あ、ありがとう 」


「 ・・・・ 」


「 ・・・・? 」



両手で受け取ろうとした私は
玲央くんがココアから手を離さないことに
首を傾げると、玲央くんが少しだけ
眉を寄せているのに気付いて
怒ったのかと思って目を逸らしてしまった。