ふと、台所のすぐそばについた窓に人影が写った。
近寄ってそっと覗いてみると、
そこはアパートの裏の庭みたいな場所で、近くには優がいた。
よく見てみると、優はしゃがんで草取りをしているように見える。
「まったく、帽子も日焼け止めも着けずになにしてんのよ…」
あれじゃあ、「夏バテしたい」って言ってるようなものじゃない…まったく。
…私は「ギギ…」とさびた音とともにホコリにまみれた窓を開けた。
そして、必死になって草取りをしている優の背中に話しかける。
「……ねぇ優。…頑張りすぎじゃない?」
「え?」
振り向いた優の顔は、泥と汗で所々汚れていた。
「まったく。さっきといい今といい…優、昨日寝てないんでしょ?体こわしちゃうよ?」
「少しぐらいは寝たよ。だから大丈夫だって…」
「そんなの全然大丈夫なんかじゃないよ!ねぇ優?少しぐらい休んで?」
「いやでも…今日中に片付けと掃除を終わらせなきゃいけないんだ。だから…」
…今日中に?また、無理しようとしてる。優は。

