その様子を見た瞬間、私の身勝手な妄想はもろく打ち砕かれた。


ーーあぁ。

やっぱり、そうなの?

嘘、だったの・・・?


「おい直希、どーゆーことだよこれ!」
「杉岡くんやっぱベリーのことすきだったの!?」
「直希もあーゆーのが好みなのー?」

ひとりが沈黙を破ると、途端に飛び交う好奇の声。

見ていられなくて目を背けた。


痛い。





「違う!それは・・・」


質問攻めに耐えきれなくなったのか、俯いたまま叫ぶ直希。



「俺が勝手にやっただけだ!ベリーは悪くない」


勝手に・・・ね。
そこまでして、あの人をかばうの?
嘘までついて・・・。

案の定ざわめく野次馬。
間違いなく、他人のゴシップを面白がっている。


「えーでもさ」
「ベリーから抱きついてるよなー」


直希は誰がどう見ても狼狽えている様子だった。



私はと言えば、そんな彼を悲鳴を上げたくなる思いで凝視することしかできない。

いたい。