優しい?
ぎくっと反応した。
俺、その話きいてていーの・・・?
「ほーら、ねっ」
沙姫は俺の頭を軽く叩いてそのまま歩き始めた。
振り向いたまま動けない。
「そーゆー中途半端な優しさ、真に受けちゃう子多いから、止めたほうがいいよ」
「な・・・」
「私だってそのひとりだけど」
一度足を止めてそう言ったあと、また歩き始める。
背中が悲痛な叫び声をあげている気がしてしょうがない。
でもたぶん
沙姫は今、断ち切ろうとしているところだから。
なにも いえない
「でも何気楽しかったし。後悔とかないし。ぶっちゃけ引きずるだろーけど、まだ恋したいしなあ・・・」
「・・・俺なんかより優しい奴はたくさんいるし。あとはまぁ、俺クオリティの顔・・・はいないだろーな」
「うっせ!ばーか」
この日やっと、沙姫の笑顔を見た気がした。

