ひどいよ。
裏切られた。
―違う。
私が、勝手に信じただけ。
まだ直希はここにいてくれるって、期待して。
あの夢の通りだ。
直希はもう、私の隣にはいなかった。
いい加減、私も離れなきゃいけない。
そう、痛いほど感じていた。
周りの何人かに好奇の視線を送られたが、気にも留めず走り続ける。
特に根拠はないけど、走っていると涙が止まる気がして。
でも、そんな思いとは裏腹に、小さい頃の思い出が次々と蘇ってきた。
なんだか走馬灯を見ているみたい。
そうしていると、また涙が溢れてきて。
やっぱり止まらなかった涙を、立ち止まって無造作に拭う。
呼吸を整えて、心臓を落ち着かせると、やっと涙が止まった。
「・・・はぁ」
絶望。
もう、疲れた。
走ったからってのもあるかもしれないけど、たぶん色々言われたから、の方が大きいな。
『なにしてんだよ』
『お前が倒したんだろ』
『ふざけんなよ・・・』
今思い出しても、散々な言われようだ。
それにほんとに一方的に責められていた。
でもそれはそれだけ、ベリーが好きってことの表れ。
「・・・」
無理だったんだ、初めから。
私はフッと失笑しながら思った。
え?
幻聴・・・?
「・・・!」
いや、違う?
「・・・き!」
・・・。
い、いやでも・・・。
「おいって!沙姫!」
最後には肩を叩かれた。

