きみのうしろ姿


そしてふとした瞬間に、なぜか。
言いようもない切ない表情が滲み出た。

それだけで、なんとなく。
“失恋”したんだってわかった。

それがわかった瞬間、胸がズキンと痛む。
ベリーは顔を伏せたまま笑った。

「ありがとう」

その笑顔は、何かを愛おしそうに想ってるみたいな、優しい笑顔で。

誰に言ってるんだよ、それ。

そんなことを考えてしまった。

「・・・もう、泣いてばかりいられない」
「強いな、ベリー」
「かっこいいでしょ?」

ベリーはそう言って、無邪気な笑顔を見せた。
その笑顔を引き出せたことが、なんだか誇らしくなって、こっちも笑顔になってしまう。

「暗くなっちゃったね。・・・さ、そろそろ直希くんも帰りなよ」
「送ってー!」
「ばか」

ベリーはクスクスと笑う。

それを見て、どうしようもなく嬉しくなる。
ばか、だって。

可愛い。




・・・ん?

「可愛い」?

え?
あれ?



――――もしかして

オレ・・・?


「・・・直希くん?どうかした?」
「っえ!あ、いや別に・・・」

オレが目線をそらすと、ベリーは不思議そうな顔をしながらにっこりと笑った。

「・・・今日は本当にありがとう、直希くん」
「いえ。また何かあったら言えよー!」

これは、オレの願望。
どんな形でも、ベリーの特別になりたいっていう願望。

でも、ベリーはそれ以上何も言わずに、ただ寂しそうに笑っているだけだった。