きみのうしろ姿


私の願いは神に届いたのか、直希は不思議そうな顔をして座った。
その様子を確認した私は、ホッと胸を撫で下ろす。
よかった・・・。
深呼吸をすると、まだ心臓がドキドキしていた。

これからずっとこんな風にしなきゃいけないのかな。
きっと、今も不自然に思っただろうし。
何か、疲れた・・・。


あれ?
ここどこ?
あたりを見回すと、隣に直希が座っていた。
私は彼の横顔を見ながら微笑んだ。
よかった。
まだ私の隣にいてくれるんだ。

「ずっと私の隣にいてね」

でも、その言葉を聞いた直希は、寂しそうに笑う。

え・・・?
その笑顔を見て、私の心は凍りつく。
そしてその後、直希は困ったような表情を浮かべた。

「直希くん」

ふいに優しい声が、耳をかすめる。
遠くの方で、私とは全く正反対なベリーが私の愛しい人の名前を呼んでいた。
その姿が見えると、直希はパッと嬉しそうな笑顔を浮かべた。
そして、立ち上がってベリーの方に走り出そうとする。

「あっ・・・!」

私は思わず、走り出そうとした直希の腕を掴む。
すると、直希は鋭い目つきで私をじっと見つめた。
心が見透かされるような感じがして、視線をそらす。
でも、直希の腕を持つ手はしっかり握っていた。

ここにいて。
他の人のところになんか、行かないで・・・。
でも、そんな切実な願いは届くはずもなく。

直希は呆れるようにため息をついた。

それは私の心に刃となって突き刺さった。
直希の腕を握る手に力がこもる。

「オレはあの人のところに行かなくちゃ行けないんだ」