きみのうしろ姿


「私が何したって、どうにもならないっつーの・・・」

改めて口に出すと、胸がズキズキと痛んだ。
目の奥が暑くなって、私は手で顔を覆う。

どうしようもない。
この気持ちも、直希の気持ちも。

じゃあどうすればいいの?

どうするのが正解?

どうしたら、この痛みはなくなるの?

「わかんない・・・」

「何が?」

頭上から降ってきた声は、いつもの聞き覚えのある声。
バッと顔を上げると、直希がキョトンとした顔で立っていた。
その表情を見て、私も目を丸くする。

「何がわかんないんだよ?」

瞬間、恥ずかしさから私の顔がどんどん熱くなる。

聞かれてた・・・!

直希のことで悩んでるなんて、死んでも言えない・・・!!

「なんにもない!」

さっきまで泣きそうだったなんて知られたくなくて、私は両手で顔をガードした。
頼むから、静かに席に座って!
神様いるならお願いします!!
見ないで・・・!!

「ほんとに?」
「ほんと!平気!大丈夫!!」

あ、あからさま過ぎた・・・?

「なら、いいんだけど。最近調子悪そうだし」
「そう?」

私は必死に何でもないふりをした。
ただ、目を合わせるのは怖くて窓の外に視線を送る。
心臓がバックンバックンと暴れていた。
早く座って・・・。