きみのうしろ姿


「・・・あれ!?」
「えっ?」

蒼衣が急に驚いた声を出したので、私はそれに反応して顔を上げた。
何?
何事?

「ユキさんって、男なの!?」
「そうだよ?」

私は首をかしげながら言う。
そして、蒼衣の視線の先を見て納得した。

そこには、ユキさんの読者へのお返しのコメントがあった。
そして、一人称が『俺』。

ユキなんて名前でやってるから、よく間違われるみたいだけど。
なんでそんな名前で書いてるんだろ。

犬の名前とか?

「じゃーね!」

予鈴がなると、蒼衣はいつも通り自分の教室に帰っていった。
軽く振っていた手を下ろした私は、作っていた笑顔をパッと消した。

「・・・なーんてね」

大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐いて机に伏せる。

ちゃんとできてたかな。

結構ショック。
相変わらず、直希の顔は頭から焼き付いて離れない。
明らかに好きになってんじゃん。
ベリーのこと。

思えばベリーは、私とは正反対。
可愛いというよりもキレイ系。
先生やってるくらいだから、頭もいいだろうし。
生徒にも人気がある。

なんで、私じゃないかなんて知らない。

でも、多分もう遅い。
私が・・・