きみのうしろ姿

⇒沙姫side⇒

昼休み。
私は、いつものようにケータイをいじりながら、教室で楽しそうにしゃべっている人たちを眺めていた。

眠い・・・。

窓際にあるこの席は日当たりがよく、寒い季節になるとどうしても動くことができない。
でもさすがにお弁当食べた後だと、眠くなるなあ・・・。

「沙姫ー!何してんの?」

名前を呼ばれて目線を上げると、人懐っこい笑顔の綺麗な茶髪の少女がいた。
話しかけてきたのは、中学からの友達の朝倉蒼衣。
クラスが分かれても、時間が空けば私のところに遊びに来てくれる、優しい友達。

「あ、もしかして、例の小説サイト?」
「そうそう」

最近私は小説サイトにハマっている。
ただし、見るだけ。

「すごいんだよー!このユキって人とか!」

私はケータイの画面を葵に向けて言った。

「描写とか、話の進め方とか、素人とは思えないくらいうまくて・・・」
「落ち着け、沙姫。それ前にも聞いたから」

私が興奮気味に言うと、蒼衣はなだめるように言った。

「そーだっけ?」

それくらい好きなんだもんなあ。
残念、というようにため息をつき、ケータイを持つ手を引っ込める。