まだまだ夏の暑さが残るこの日
私立 黒曜(こくよう)学園では2学期が始まった

「青柳 伶蘭(あおやなぎ れいらん)
 アメリカから来ました。日本に来て日が浅いので、日本のことを色々教えてください。…日本語あってますか?」

流暢とはいえない日本語で自己紹介する
先生は大丈夫だと頷いてくれたので嬉しくなって、つい頬が緩んでしまう

約10年振りの日本。
あの頃の日本がどんな風だったかもう覚えていない。
アメリカで過ごした時間の方が断然多いからだ。

日本に帰ってくる前、必死でママとかから日本語を習い、危ういが話せるまでに上達した。

こんなことなら、家の中で日本語を話してくれればよかったのに。