「そうじゃない」

「え?」

「不器用なのは、男との付き合い方だよ」

「!」


気付けば先生のキレイな手が私の手に重なっている。

するすると撫でられて、びくっと私の身体は反応する。


「こんなに愛情の籠ったものをもらって喜ばないバカな男を選ぶなんて、不器用以外の何物でもない」

「――」

「俺なら…こんなのもらえたら、お返しにもっと喜ぶことしてあげるのに」

「先生…?」

「椎名さんは洋裁のレッスンよりも、男の扱い方のレッスンをした方が良さそうだな。俺が男の扱い方を教えてあげるよ。それに……椎名さん、講義の時以外も俺の手をよく見てるよね。この手が欲しいんだろ?」

「っ!」

「…レッスン代は身体で払ってくれたらいいから」


先生の手が服の上から私の身体を滑っていく。

まるで、シルクの上を滑るように、するすると…。

直接触れられているわけではないのに、その手に触れられていると思うだけで、私はドロドロに溶けそうだった。