「んーんー!」


怖いよ、助けてタケル…!

必死になって私が声を出そうとしていると。


「…黙って。…添乗員、覚えてる?」

「!」


添乗員…?

私の頭に浮かんだのは、イケメンだなと思っていた、この旅行を仕切る添乗員の男。

見知った人物だということがわかって、少しだけホッとした私がいた。

とは言っても、こんなことするなんて…


「…抵抗しなければ、最後まではしない。でも…ちゃんと気持ちよくさせてあげる」

「っ」


低い甘い声。

その声は私の脳の奥まで響き、体の奥の何かがずんと波打ち、ぞくりと鳥肌が立った。

ヤバイ、この声…痺れる。


「!?」


しゅる、と布で塞がれる目。

真っ暗でなにも見えない。

普段生活している場所でも状況でもないことに、怖いという気持ちよりも、だんだんと刺激の方が強くなってくる。

…ドキドキする。


汗で湿ってしまった身体を滑っていく、熱くて大きな手。


「…ん…っ」


敏感なところに触れてくるその手に反応し、びくりと身体を震わせる。

溺れていく。

…私はそのまま、与えられる甘い刺激に身を任せてしまった。





「…なぁ、いつもと違う状況って、どう?」


触れられながら、そう、問いかけられた気がした。