「ふーくん、お疲れさま」

「…」


こくりと大きく頷く、ふく太。

人目がある場所では、ふく太はしゃべらない。

子供たちの夢を壊さないために。

だから私も子供に向かうように、ふく太に話しかける。


「今日はもう1つお仕事あるからがんばろうね?」

「…」


こくり。

あーっかわいいっ!

何を隠そう、私もふく太の大ファンなのだ。

私物のストラップやポーチだって、ふく太が描かれたもの。

同棲してる彼氏にも『また、ふく太グッズ?俺とふく太のどっちが好きなんだよ?』とヤキモチを焼かれるくらい。

もちろん私はふざけて『ふーくん!』と答えるんだけど。

子供たちのように、ふく太に抱き付きたいと思った回数は数知れず。

いつも横でふく太のサポート兼地元のPRをしながら、私はそんなことを思っている。


「あ」

「へ?ひゃあ!?」


ふく太を見ながら歩いていたら、目の前にあった障害物に気付かず、躓いてしまった。

こ、ろ、ぶ!!!