私の瞳に写る、蒼。

その表情は…私を誘う。


――って、違う!

蒼がカメラを見たいって言うから、楽屋にカメラ持参で来ただけなのに…

この体勢は何!?


楽屋を訪れて間もないうちに、何故か私は蒼に手首を掴まれ、壁に押し付けられていた。

今まで見たことのない『男』の表情をした蒼に。


「あの、蒼さん…」

「いつも思ってたけど。河原さんの視線って、エロイよね」

「!」

「…だから、俺も誘われる」

「――」


ふわ、と私の唇に蒼のそれが触れた。


「あーあ。やっちゃった。」


蒼はペロリと自分の唇を舐める。

…待ってよ。

…今、何が起こった?