「ね…チハルさんの彼氏ってヒロさんだよね?浮気じゃなくて事故ってことにすれば 、チハルさんもヒロさんに後ろめたさは感じなくていいよ」

「そ、そういう問題じゃない…」

「そういう問題だって。だからさ、…俺ともっとたくさん気持ちいいこと、しよ?あのキスも、実は欲情してくれてたんじゃないの?今日は特にエロかったし」


アイドルという名の仮面をかぶった男は、いけしゃあしゃあとそう言ってクスリと笑う。


…実は汗を流すSAKUの姿をセクシーだなと思っていて、毎回それを見るたびにドキドキしている私がいた。

それは認めてもいいけど、欲情とかそんなんじゃないし!

ただの目の保養っていうか…そんな感じだから!

私はSAKUの言葉を否定する。


「そんなわけ…っ、んっ!」


壁に押し付けられる私の身体。

…私の唇を塞ぐように触れているのは、紛れもなくSAKUの唇。

離れようともがくけど、SAKUはダンスをしてるだけあって意外と力があって、私はSAKUの力に敵わず、ただ受け入れることしか出来なかった。


「…んん…っ!」


SAKUは誰かに見られてるかもというリスクなんて考えることなく、食い付くように、貪るように、私の唇を奪い尽くしていった――。



Fin.