漆黒の羽根、鮮血に濡れた背中
完全版
20130119-20130119
ファンタジー



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「…気持ちいい…?」

「ん…っ」


ふわふわとアタシの白い羽根を撫でる彼氏の手。

羽根の付け根を触られ、私の身体はビクンと跳ねた。

私を優しく包んでくれて気持ちよくさせてくれるこの手は大好き。

…でも、何か物足りない。

―――いつも真っ白な心でいなさい。

その教えが、アタシを歪めたんだと思う。

純白の心を持ったまま大人になった、まさに天の使いの『優等生』である彼氏を、たまに疎ましく思ってしまうんだ。

真っ白で、眩しくて、目を塞ぎたくなる。