元カレにあの手紙を出してから、半年が経った。

音沙汰はない。

きっと、このまま続けることはできない、とわかってくれたんだろう。

…私も元カレのことは早く忘れなきゃいけない。

今の彼のことを一番に考えたいから――…。





いつも通り仕事をしていると、社内の手紙を配り回るポストマンが来た。


「苑田さん。郵便です」

「あ、ありがとうございます」

「…あの。余計なお世話かもしれないんですけど…。それ、社内便でも、社に届いたものでもなくて。外で髭を生やしたボサボサ頭の男に渡されたんです。…ちょっと怪しい気はしたんですけど、渡せばわかるから、と言われて。心当たりありますか?」

「え…?」


誰?って一瞬思ったけど…

そんなの、一人しかいない。

私に手紙を送るのは――…


元カレしかいない。


震える手で封を開けようとするけど、うまくいかない。

1分ほどかけて、ようやく手紙を取り出した。

――かさ…

…そこには、急いで書いたような文字でこう書かれてあった――