「…仕方ないな。教えてあげるよ」 「…っ」 輪くんの手が、私の頬に触れる。 そして、親指は私の唇を揉むようになぞる。 「…俺が本当に好きなのは…咲子サンだからだよ。結子はずっと、咲子サンの代わりだった。だからさ…俺の彼女になってよ」 「―――…っ」 そう言う輪くんの瞳は、魅惑的で… まるで催眠術をかけられているみたいに、吸い込まれそうになる―――。 …私はその瞳に、囚われた――。 Fin.