…同じ瞬間(とき)。


「…絢斗…っ」

「――梨恵…」


違う場所で、二つの影が一つに重なっていた――。

同じように、二つのリングが外されて…。












…そんなことは知るよしもなく、私たちは背徳感に苛(さいな)まれながら、強く強く記憶に刻むように、抱き合っていた―――。




Fin.