『無明の果て』

またみんな一緒に乾杯し、キャバクラ状態はなくなったが、隣に座る"涼さま"に、話しかけることも出来ず、仕事のキャリアは何の役にも立たない。



「麗子さんって呼んでもいいですか?」


「はい」


ゴックンとつばを飲む音を聞かれたかもしれない。


「カッコイイ先輩がいるって一行から聞いてたんですよ。」


真面目に仕事してきて本当に良かった。


泣きそうだ。


また ベットにどこかぶつけて、"夢かぁ~"なんて事にならない事を願うばかりだ。


「麗子さん」


と呼ばれるたび、フラっとキャリアが揺らぐ。


39まで あと半年。