『無明の果て』

ただ書きたくて書いている物語なのに、もしかしたら形のない何かを創り出せるのかもしれないと、錯覚してしまいそうな気持ちに胸踊らせる事もありました。



そして次のお話を書くまでの一話完結のショートストーリーを書こうと、何気なく、本当に何気なく



『キャリアウーマンの運命』



と、タイトルだけを決め、独身時代の私の気持ちを込めて、第一話を書いたのです。



ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、この物語は第一章の最後に

つづく…


ではなく、本当は






という文字が書かれていました。



続きなど書く気もなく、別のショートストーリーを考えていたほどでしたが、感想の中にいくつか「短すぎる」の指摘をうけ、じゃぁと


第二章…
第三章…



結局あれから二年もの時を跨ぎ、ここで皆さんに見つけて頂くようになり、何度も何度も訪ねていただいたおかげで、こんな長い物語が出来上がる事になりました。


みなさんの印象に残っている場面はどこでしょうか?



空港でしょうか?

教会でしょうか?


それとも、Mで聞いた楽園でしょうか?




実はこの物語の中で、私はひとつだけ自分のために書いた場面があります。



叶える事が出来なかったその夢を、もう絶対に叶う事のない夢を、麗子の姿を借りて私は経験する事が出来ました。



それは、父と歩いたバージンロードのシーンです。



トップページにある後ろ姿のウェディングドレスを着た私は、夫と二人だけの結婚式を挙げました。




本当は麗子のように、父と腕を組み歩きたかったと、その姿をその目で見て欲しかったと、その強い想いを物語の中で私は言葉に変えました。



印象を変えてしまったら許してくださいね。


その父はもう亡くなってしまいましたが、あんなに辛いと思っていた介護生活も、今ならもっと優しく接してあげられるのにと、今は懐かしくさえ思えるようになりました。