『無明の果て』

人が生まれて、大切な人と巡り会う運命が決まっているなら、神様はどこでその振り分けをしているの。



園は、一行の決めた会社が父親がいるその会社と同じ事も、一行が生涯を共にと選んだ相手が父親の部下であることも、みんな知っていたんだ。



いずれ、小池は気付くだろう。



この歌がどうして生まれたのかということを。



岩沢とその妻と小池の恋に、一行と私と、そして園の楽園を重ねて。










これが私に起きた奇跡の数々である。



時々人はそれを、運命と呼んだりする。




でも私がそれを信じているのか、本当のところはわからない。




誰だって自分が正しいと信じ、身勝手に生きて行くんだから。




立派な生き方をしなくても、愛していける自分を生きて行くんだから。