『無明の果て』




そしてその二ヶ月後、私は懐かしい日本へ帰った。





私は初めての日本を飛行機の窓から絢に見せながら


「あなたの国よ。」


と、囁いた。


寝惚けた瞳をこすって覗いた窓の下には、私には懐かしい、絢には初めての美しい風景が広がっていた。



ひとり旅立った時、涼に見送られ、岩沢に出会い…


あれから二年
私の腕には絢がいる。



ただいま、一行。