目覚めたらいつもと同じものを目にして、いつもと同じ事を思うの。朝日が私を照らしたって、私の心は真っ暗。

──そんな事言ったって僕にどうしろと言うんだ。何て目の前で悲しそうに話す彼女に言える訳が無くて。どう返答して良いか分からず、黙り込む。その間の沈黙に耐え切れずテーブルの上にあったクッキーを口に含んだ。サクリ、そう聞こえたと同時に僕はある事を閃いた。


「僕が一緒に眠ってあげよう」

「目覚めたら僕の顔を見れば良い。毎日違っていて、きっと君を飽きさせないよ」

「真っ暗で悲しくなったら抱きしめてあげる。そうしてもう一度眠ろう。そうしたら次に目覚めた時は幸せで一杯な筈だ」


良い考えだろう?そう彼女に問い掛ければ、彼女は微笑みながら頷いた。その表情は今口に含んでいるクッキーよりも甘くて愛らしい。彼女を幸せにするのは僕で、僕を幸せにするのは彼女だけ何だ。


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