だから、



『何故?』



とだけ、聞き返した。



自分に命を下すに至る理由が知りたかった。



何を今更。


その疑問の答えに相応する解が知りたかった。


だから、何故と聞き返した。



すると王は、レイチェルの金色の瞳を深く見据え、言ったのだ。




『自由にしてやりたい。』




それは憎いほど優しい眼差しだった。

己の罪を罰する、神父のような眼差しだった。


今は亡きレイチェルの父が自分に向けてくれた不器用な愛情を想起させるほどに、その表情はあまりにも儚く、痛々しい。


う、と、言葉がつまりレイチェルは暫く黙りこんだ。


そんなレイチェルの心の内を知ってか知らずか、王は続ける。





もう、いいのだ。…と。