──


「氷暮!」


急に自分の名前を呼ばれて、氷暮はそっちを見た。


と同時に、人影が男たちの間をすり抜けて、氷暮の前に立った。



それは…─間違いなく、空人だった。



「何ですか、あんたら。」


空人がにらみを効かせているのがわかった。


空人は背が高いから、2年には見られていないだろう。


「チッ、男かよ…」


男3人は舌打ちをして、人混みに紛れてしまった。