「トイレ…行っていいッスか?」


空人は照れたように笑った。


氷暮はまた、ため息をつく。


「ここで待ってるから。」


「すいませんっ」


空人は駆け足で、建物の中に入っていった。



氷暮が今いる場所は、通りの脇道…横丁だった。


人がすれ違っていく様を、氷暮は見つめていた。