─待ち合わせ場所に、氷暮は時間ぴったりに着いた。


そこには、ラフな格好にリュックを背負った空人がいた。


「…普通だね。」


氷暮が呟くと、携帯を見ていた空人はビクッと肩を震わせた。


「もう先輩…普通に声か…」


そこで、空人は目を見開いて固まった。


「何よ?」


氷暮は眉をひそめる。


「あ…いや…」


空人は戸惑いながら、氷暮の足先から頭までを見回した。


そして、なぜか顔を赤らめながら、氷暮から目線を外して言った。