年下くんとの水曜日。【完】

「あ、本持ってきた?」


氷暮は思い出した用件を呟いた。


「…せめて顔を上げてください。」


氷暮がしぶしぶ顔を上げると、今日はドアのところに空人が立っていた。


「…持ってきた?」


氷暮はもう1度訊く。


すると空人は、ニッと笑って、本を取り出した。


「もちろんっスよ。」


空人はカウンターの前まで来ると、そこに本を置いた。


文庫本ではなく、単行本の新刊のやつだ。


氷暮は身を乗り出して、表紙を確認した。